その6 セックスは16才で
=思春期の娘を持つ父親ドクターの私流性教育=
今回は、診察室外での性教育の話ですが、実はこれは私の娘達に対する性教育の話なのです。このコラムのその3でも書きましたが、アメリカ人の高校生は高校卒業までに約3分の2がセックスを体験するとの報告があります。私の娘達も16才と14才、今4年制の高校に通っているので、高校3年生(日本式に言うと高校2年生)と高校1年生(同じく中学3年生)。異性にも関心があり、下の娘には付き合っている男の子がいるので、性教育をするのにはいい時期だと考え、先日2人を呼んで、私流性教育を行ったのです。
親父の話というので、2人の娘はまた説教じゃないかと思って、いやな顔をしています。アメリカに来て11年目、2人共日本語はほとんど忘れてしまって、今では親子の会話も英語です。「今日はセックスの話をする。」とまず導入すると、2人も意外な顔をしています。あたかも「セックス?親父頭おかしくなったんじゃないの?」というような反応です。つかさず、「セックスは高校3年生になるまでは禁止する。高校3年生になって本当に好きな人ができて、セックスをするかもしれないと思ったら、教えてくれ。コンドームでは完全な避妊はできないので、ピルをあげるから。」2人も驚いて目を丸くしています。
結婚まではセックスは禁止と言っても、何の現実性もないので、一応高校3年生、すなわちだいたい16−17才以上と線引きをしたわけなのですが、アメリカではまあ妥当な線でしょう。今回の私の性教育の目的は「望まない妊娠はしない。」「セックスは男の子の一方的な要求に答えてやるのではなく、自分にも欲求があって始めて行うもので、2人がお互い好きだということの表現の一つにすぎない。」「親に隠れてこそこそやらない。」ということなのです。
性病の話もして、ヘルペスや性器いぼの写真も見せて、「例えピルをのんでも、性病予防にコンドームも必要。」と説明しておいたのです。最後に思春期の男子の性衝動は女子よりもずっと強いということも伝えました。そして、「セックスをする時は、さあ、これからセックスするぞ、と言ってセックスするすることはなく、大抵の場合は雰囲気でセックスに入っていくので、男の子に依存しないといけないコンドームだけでは十分に避妊できない。」とも。途中冗談を言ったり、実話(本当は架空の話ですが)と言って、妊娠して悲しい目にあった女の子の話を紹介したり、約15分程度の私流性教育は終わりましたが、効果の程はどうだったのでしょうか。
その後、上の娘は、「もう3年生だから、セックスはしてもいいということだけど、そんな相手周りにはいないよ。」下の娘は「3年生になったらセックスしてもいいって。」と友人と話をしていたらしいのです。「避妊が必要」だというメッセージは伝わったようですが、私の意図が正しく理解されたかどうか、どうも疑わしいようです。
