
その3
エッチドクター?
思春期医療
アメリカでは思春期医療というのが、小児科の中で独立した領域として存在します。従って、小児科の研修を受ける人は、思春期医療の研修も行います。避妊の仕方や、ドラッグの体に対する悪影響、思春期特有の問題について研修をします。特にアメリカではドラッグに手を出す高校生が3割以上いるので、ドラッグに関する知識は小児科医としては必須です。また、高校を卒業するまでに約3分の2の高校生がセックスするので、避妊、性病の教育も非常に重要になってきます。日本でも高校生の間でクラミジアという性病が流行しているそうなので、日米間の違いは最近あまり無いのかもしれませんが。
思春期は又、ホルモン異常の早期発見にとって非常に重要な時期です。男子であれば、陰茎と睾丸の発達、女子では、乳房と外性器の発達、それに両者共、陰毛の発達が極めて重要になります。だからと言って、思春期の男女を裸にして診察するわけではありません。そんなことをすると、ただでさえ医療機関に疎遠な思春期の少年少女をますます医療機関から遠ざけることになります。人前で自分の体を見せることを恥ずかしがる年頃です。そこで、「どうしたら思春期の患者さんに恥ずかしさを与えないで、こうした診察が出来るか。」についてアメリカの小児科医は考えます。いろいろなやり方はあるでしょうが、私の習ったやり方は、パンツの中をチラッと見る程度の診察です。これは私が尊敬する思春期医療の専門医であるアメリカ人の女医さんに教えてもらったやり方です。なにも性器そのものをまじまじ診なくても、ターナーという性発達の段階を調べればいいのです。ターナー分類でも実際は、性器の大きさや形が問題になるのですが、男子の場合、陰毛の生え方と陰茎の形さえ観察できればだいたいの性発達がわかります。女子の場合も、乳房の形や大きさ、それに陰毛の生え方でだいたいわかります。乳房の大きさや形は服の上からでもだいたい類推できるので、心臓や肺の聴診の時にちょっと余分の注意を払えばいいのです。男子も女子もパンツをチラッと少しだけ持ち上げれば陰毛の生え方がわかります。男子の場合は陰茎も見えるので実際上問題はあまりありません。
いつもパンツの中を診る前に、「恥ずかしいだろうけど、ちょっと下を見させてね。」といってチラッとさりげなくパンツを持ち上げて下腹部を診ます。一連の診察の中でおこなうので、不自然でもなければ、普通ほとんど不快感も与えません。一緒に同室している親御さんにも不自然さを与えません。でも時々、「先生エッチ!」「エッチな先生だな。」と大きな声を出す子供もいます。そんな時、「何言ってるの。先生は診察をしてるのよ。」と同室の親御さんから助け舟をだされると、「エッチドクターと烙印を押されずに済んだ。」という思いでホットします。でもなかには、「ここの先生変わったことをしますね。」と看護婦さんに報告をする親御さんも今までいることはいたのですが‐‐‐。思春期医療未だ理解されず!いやドクターキム未だ理解されずか?